2007/05/23
IEEE802.11n Draft2.0/11a/11b/11gの4つの無線LAN規格に対応した
無線LANルータ「AtermWR8400N」発表のお知らせ
このたび、Aterm WARPSTAR (エーターム・ワープスター)シリーズにおいて、現在、IEEE委員会で規格策定が進行中の次世代高速無線LAN規格IEEE802.11n Draft 2.0(注1)に対応し、理論値で最大300Mbps(注2)の物理伝送速度を実現予定のワイヤレスブロードバンドルータ「AtermWR8400N」、PCカードタイプ子機「AtermWL300NC」、およびセットモデル「AtermWR8400Nワイヤレスカードセット」を発表しました。
| 品名 |
型番 |
備考 |
| AtermWR8400Nワイヤレスカードセット |
PA-WR8400N/NC |
WR8400N+WL300NCセットモデル |
| AtermWR8400N |
PA-WR8400N |
無線ルータ単体モデル |
| AtermWL300NC |
PA-WL300NC |
PCカードタイプ子機単体モデル |
新商品は、電波監理審議会の答申を受けて総務省にて関連法案の改正が検討されている、従来比約2倍の無線帯域幅利用(注3)に対応することにより、理論値で最大300Mbpsの物理伝送速度を実現する予定のクアッドワイヤレスブロードバンドルータと無線LAN子機です。(商品の出荷開始は、法令改正後になります)
IEEE802.11n Draft2.0に加え、IEEE802.11a/11b/11gに対応しているため、2.4GHz帯を用いたDraft 11n/11b/11g対応子機の混在、または5GHz帯(注4)を用いたDraft 11n/11a対応子機の混在が可能です。
また、AtermWR8400Nに仮想的に2つのアクセスポイント名(SSID)を定義し、それぞれに「AES」と「WEP(128bit)」の異なる暗号化方式(注5)を割り当てることにより、「AES」および「WEP」に対応した無線LAN子機の混在利用を可能とする「マルチSSID機能」を搭載いたしました。
無線LAN簡単設定機能「らくらく無線スタート」を使って設定すれば、AtermWR8400Nが、子機側の対応無線LAN規格を判別して、自動的に適切な暗号化方式を用いた接続設定を登録(注6)するため、ユーザは子機の対応する暗号化方式を意識して接続するSSIDを選択する必要はなく、容易に無線LAN接続設定を完了することができます。インターネット接続の簡単設定機能「らくらくネットスタート」とあわせて、家庭での接続機器や接続形態にあわせたスムーズな導入を可能としています。
さらに、より良い電波状態で利用できるよう、2.4GHzと5GHz帯を横断的にサーチして、近傍の他アクセスポイントの電波の影響を受けにくい無線チャネルを自動選択する「オートチャネルセレクト」機能を搭載いたしました。AtermWR8400NのWeb設定画面にて、あらかじめオートチャネルセレクトのサーチ対象帯域を指定(注7)しておくことにより、起動時にその中から最適なチャネルを自動選択することが可能です。
商品の特長
- 1.IEEE802.11n Draft2.0 準拠
- 2007年3月に合意されたIEEE802.11nの最新ドラフトであるDraft2.0(注1)にいち早く準拠。2008年以降に正式規格化される予定のIEEE802.11nの快適性を先駆けて体験できます。
- 2.法令改正にいち早く対応する、理論値最大300Mbpsのデュアルチャネル無線LAN通信
- IEEE802.11nの規格化にむけた国内の法整備の一環として、新たに一つの無線LAN通信において、従来チャネル2本分にあたる40MHzの帯域幅(注3)の利用可能とするための、関係法令の改正が総務省で検討されています。MIMOによる2ストリーム通信に加えて、関係法令にいち早く対応することにより、IEEE802.11n Draft2.0で定義される理論値最大300Mbps(注2)のデュアルチャネル通信を実現予定です。
- 3.2.4GHz帯に加え、チャネル切り替えで5GHz帯にも対応
- 2.4GHz帯の13チャネルに加え、切り替えにより5.2GHz帯/5.3GHz帯/5.6GHz帯の19チャネルも利用可能です。2.4GHz帯利用時には、Draft 11n/11b/11gの利用が可能であり、5.2GHz帯/5.3GHz帯/5.6GHz帯利用時には、Draft 11n/11aが利用できます。
特に、広い帯域幅を使用するデュアルチャネル通信で実効速度を確保するには、他の無線LAN通信と帯域が重ならないことが重要であり、新商品では2.4GHz帯と5.2GHz帯の計9チャネルでデュアルチャネル通信が利用可能なため、近傍のアクセスポイントの設置状況に応じた最適なチャネル選択が可能です。
- 4.空きチャネルを有効活用して最適チャネルを自動選択する「オートチャネルセレクト」機能
- 最適なチャネルを手動で選択する煩雑な作業に代わり、自動的に最適なチャネルを選択可能な機能を装備。起動時に近傍のアクセスポイントの利用チャネルや電波強度を確認し、あらかじめ設定されたサーチ対象帯域の中から自動選択可能です。
また、サーチ対象帯域を利用無線LAN端末の対応帯域に応じて「2.4GHz帯」「5.2GHz帯」「5.3GHz帯」から自由に組み合わせて設定可能(注4)であり、複数の帯域を横断的にサーチして最適チャネル選択を実現します。
- 5.AES対応子機とWEP対応子機を混在使用可能な「マルチSSID」機能
- WR8400Nに仮想的に2つのアクセスポイント名(SSID)を定義する「マルチSSID」機能に対応。それぞれのSSIDに対し、機器ごとに異なる「AES」と「WEP(128bit)」の暗号化キーを設定済(注5)で出荷するため、「AES」に対応した無線LAN端末と、「WEP」のみに対応した端末の混在利用が可能です。
- 6.容易な導入設定を提供する2つの「らくらく」スタート
- インターネットの接続設定に必要な、動作モード選択をボタン操作だけで自動設定できる「らくらくネットスタート」、無線LANの接続設定をボタン操作だけで自動設定できる「らくらく無線スタート」の2つの「らくらく」スタート機能を搭載しました。これらにより、インターネットへの接続形態や無線LANの煩わしいセキュリティ設定が不要で、非常にスムーズな初期導入設定が可能です。
特に、新機能「マルチSSID」で定義される、「AES」接続用と、「WEP」接続用の2つの無線LAN設定も、「らくらく無線スタート」実行時に、接続元の無線LAN端末の対応規格に応じて、適切な無線LAN設定が選択(注6)されるため、ユーザが無線LAN端末の対応規格や暗号化方式を意識せずに設定可能です。
- 7.ネットスター社の「インターネット悪質サイトブロックサービスfor BBルータ」に対応
- ネットスター株式会社との提携により、同社の提供する「インターネット悪質サイトブロックサービス for BBルータ」に対応(注7)。ホームゲートウェイとなる新商品が、本サービスに対応することで、ネットスター社の優れた悪質サイト分類・登録体制を背景として、ネット家電やWWWブラウザ対応ゲーム機を含む家庭内のすべて(最大10台)の機器を、1契約でまとめて悪質サイトから保護可能です。また、端末ごとに4段階(注8)の異なる保護レベルを設定可能なため、各端末の利用者に適したアクセス制限を管理者が選択できます。
注記
- 注1:本商品はDraft規格に準拠したものであり、正式規格準拠製品や他社のDraft準拠製品との相互接続性は保証しておりません。
- 注2:表記の速度は理論値であり、実効速度とは異なります。また、本商品のWAN/LANポートは100BASE-TXまでの対応であり、実効速度が100Mbpsを超えることはありません。なお、最大300Mbpsの理論値で通信できるのは、2.4GHz帯と5.2GHz帯になります。
- 注3:従来ひとつの無線システムにおいて利用可能な帯域は約20MHz幅に制限されていましたが、関係法令の改正により、従来チャネルを2本分束ねた40MHz幅を使ったデュアルチャネル通信が可能となる見込みです。
- 注4:5GHz帯では5.2GHz/5.3GHz/5.6GHz帯の計19チャネルが利用可能です。
- 注5:AESは米国NISTによって2000年に採用された強固な暗号化方式。WEPは無線LANで広く利用されている一般的な暗号化方式です。
- 注6:子機側の対応可能な無線LAN規格が11bのみの場合に自動的にWEPが設定されたSSIDに接続されます。
- 注7:工場出荷時は2.4GHz帯のみサーチする設定であり、5GHz帯の横断サーチは設定が必要です。
- 注8:大人/高校生/中学生/小学生以下の4段階。各保護レベルのアクセス制限内容はあらかじめ設定済みです。保護対象はHTTPプロトコルのみ。アクセスポイントモード時は動作しません。
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