■IPマスカレード(アドバンスドNAT/NAPT)
アドバンスドNAT(IPマスカレード)回線側(WAN側)には、プロバイダから割り当てられたグローバルIPアドレスがひとつありますが、LAN側では複数のパソコンによる複数のローカルIPアドレスがあります。インターネット上では、グローバルIPアドレスを使って通信する必要がありますので、WARPSTARシリーズは、LANに接続されているパソコンのローカルIPアドレスを、自動的にグローバルIPアドレスに変換して通信します。
これを「NAT(Network Address Translator)」と呼びます。

ところが、ひとつのローカルIPアドレスをひとつのグローバルIPアドレスに変換するだけでは、同時に通信できるパソコンは1台だけになってしまいます。
そこで、WARPSTARシリーズでは、上位プロトコルであるTCPやUDPのポート番号(WWWブラウザなどインターネット通信アプリケーションが使う、アプリケーションを識別するチャネル番号のようなもの)も同時に変換することにより、同時にLAN側の複数のパソコンを、ひとつのグローバルIPアドレスを使ってインターネットに接続できるようにしています。
これが、「アドバンスドNAT(IPマスカレード)」という機能です。

たとえば、LAN上にAというパソコンと、Bというパソコンがあったとして、同時にブラウザを使ってホームページを見たいとします。
ブラウザで利用されるHTTPというプロトコルは通常ポート番号80番を使用するのですが、パソコンAとパソコンBが同時に80番をそのまま使うと、インターネット上では同じIPアドレス/同じポート番号を使った通信が2つ存在してしまうことになり、区別がつかなくなります。
そこで、アドバンスドNAT機能により、パソコンAの使うポート番号を10080番、パソコンBの使うポート番号を20080番と変換してインターネット上で通信させる(この場合もIPアドレスは同じグローバルIPアドレスを使っています。)ことにより、その2つの通信を別個のものとして扱うことができ、正しく、通信を行うことができるのです。