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[IT] Mac OS8でのインターネット接続不良に関する調査報告

概要

AtermITシリーズを用いて MacOS8システムをインストールしたMacintoshシリーズにて、
OSに標準添付されているインターネット接続ソフトウェア(Open Transport/PPP Ver1.0.1)にて、
インターネットに接続しようとすると、うまく接続できないという現象が起こる場合があります。

この件について、NECとApple Japan 社と共同で調査を進めてまいりましたところ、
大きく3つの現象に分類されることがわかりました。

以下それぞれの場合の現象と対策をお知らせいたします。

プロバイダによっては同期64kbps接続ができない場合

現象

弊社が提供するCCLファイル[NEC AtermIT 64KPPP]を使い
「Open Transport PPP」にて同期64Kのプロバイダに接続すると、
回線は一度接続されるが、数10秒後に切断されてしまう。

画面には
「接続できません。接続先のコンピュータから応答がありません。」
と表示される。

ただし、正常に接続できるプロバイダもある。

接続ができないプロバイダにおいても、「Free PPP」を使用すれば接続が可能となる。

Macintoshの接続ボタンを押してから接続に失敗するまでのAtermの動作は以下のように見える。
接続ボタン押下 -> SD/RDが一度点灯 -> ACT点滅 -> ACT点灯 -> SD/RDが何回か点灯 -> ACT滅灯 -> 接続失敗

原因

インターネットに接続する場合、Macintoshとプロバイダに設置されたルータとの間では、
PPPと呼ばれるプロトコルを使って通信を行っている。
このPPPプロトコルの送受信タイミングは、
プロバイダが使用するルータの機種により「バラツキ」が存在する。

一方、Atermは、PPPプロトコルで決定されたパラメータに従って、
送受信されるデータの変換を行っている。
「Free PPP」を使用する場合は、
Atermが行うデータ変換処理と「Free PPP」の仕様が合致するため、正常に接続できる。

しかしながら、「Open Transport PPP」では、
ルータの送受信タイミングによってはAtermが変換したデータを
Macintoshが受信できない仕様に変更されてしまったため、
プロバイダに設置のルータによっては接続できなくなってしまった。

対処方法

本問題解決のためには、
「Open Transport PPP」の仕様にAtermのデータ変換処理をあわせ込む必要があるため、
ファームウェアの変更が必要となります。
  • AtermIT55/55DSUについては、 ファームウェアVer3.06 にバージョンアップすることで症状が改善します。
  • AtermIT65Pro/65ProDSUについては ファームウェアVer2.04 にバージョンアップすることで症状が改善します。
  • AtermIT65/65DSUに関しては、初期出荷品より本問題は対応済みです。
  • オンラインバージョンアップ非対応機種(AtermIT35/45/45DSU)は、現在のところ対応の予定はございません。
    「Free PPP」等でのご使用をお願いします。

プロバイダに発信しても回線がつながらない(ACTランプが点灯しない)場合

現象

弊社が提供するCCLファイル[NEC AtermIT 64KPPP]を使い、
「Open Transport PPP」にて同期64Kのプロバイダに接続すると、
回線が接続できない。
(SDランプが一度点灯することはあるが、ACTランプ点灯に至らない。)
「Free PPP」でポートスピードを57600bpsにすれば接続が可能となる。

原因

CCLファイル[NEC AtermIT 64KPPP]では、
あらかじめポートスピードを115.2Kbpsに設定しています。

ポートスピードの上限が57.6KbpsのMacintosh
(SerialDMAの未対応機種。詳しくはアップルカスタマーセンターにお問い合わせください)
でCCLファイル[NEC AtermIT 64KPPP]を使用すると、正常に接続できません。

対処方法

ポートスピードを57.6Kbpsに設定したCCLファイルを作成し、バージョンアップコーナーで公開しました。
Macintosh用モデムスクリプトファイル をダウンロードし、[NEC AtermIT 64KPPP(57.6K)]をご使用ください。

シリアルポート速度57.6Kbpsで同期64Kのプロバイダ接続を行うと、
十分なパフォーマンスを得ることができませんので、ご了承願います。

■ MAC OS 8にバージョンアップ後にシリアルポートが動作不能となる場合

現象

漢字トーク7.6.xからMAC OS 8にバージョンアップすると、
シリアルポートが動作不能となり、コマンド発行ができなくなる場合がある。

原因

現在もApple Japan社殿とも協力し解明を行っておりますが、
残念ながら原因の特定ができておりません。

対処方法

他のPPPモジュール(FreePPP,MacPPP等)とOpen Transport PPPを一緒に使用すると、
不具合が出る場合があることが報告されています。
Open Transport PPP以外のPPPモジュールは削除してください。

原因の特定ができず解決方法は判明しておりませんが、
ハードディスクを初期化し、MAC OS 8を再インストールすることで、
解決する場合があることも報告されています。